vol.53 【第42回】BtoCビジネスを成功に導く『債権回収』 少額訴訟について

本日は、少額債権回収における法的手続き(今回は少額訴訟について)をご紹介します。

 

少額の債権を回収するために法的手続きをとるというのは限定的とお伝えしてきました。
費用対効果が合わないケースが通常だからです。
少額債権を回収するために印紙代や弁護士費用をかけて、仮に回収ができたとしても、
かかった費用の方が多くなりますし、訴訟となれば時間がかかってしまいます。
そこで、弁護士費用をかけずに、自社内で、
簡易な方法で法的手続きを取る手段として、少額訴訟が注目されています。

 

少額訴訟とは、民事訴訟のうち,60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて,
原則として1回の審理で紛争解決を図る手続です。管轄は簡易裁判所です。
1期日で審理を終え、その場で判決が言い渡されるのが特徴です。
非常にスピーディーに判決(債務名義)を得られることになります。

ただし、この制度を利用できるのは、
同一の簡易裁判所において年間10件までと制限されているため、
大量の少額債権の全てについて法的措置を講じたいという場合には制限があります。

もっとも、少額債権については、原則は法的措置まで講じることはないが、
特に悪質な債務者に対しては、年間10件の範囲で
この少額訴訟の手続きを取るというのはあり得るところです。

 

少額訴訟は法律知識がなくても訴状などを簡単に作成できますし、
簡易裁判所では裁判官や書記官が進め方をアドバイスしてくれますので、
迷わずに手続きを進めることができます。
弁護士に依頼しないでも進められる点でメリットがあります。

以下、少額訴訟の流れを説明します。

 

①訴状の提出
被告の住所地を管轄する簡易裁判所に訴状を提出します。

②期日の連絡
裁判所で訴状が受理されると、実際に審理・判決をする期日の連絡があります。

③事前聴取
少額訴訟が1回の期日で終了するように、事前準備が行われます。
裁判所の書記官の要求に応じて、審事実関係の確認、追加の証拠書類の提出、
証人の用意を求められることもあります。

④答弁書を受け取る
相手方が提出した答弁書が届きます。
答弁書には相手方の反論が書かれています。

⑤法廷で審理が行われる
原告、被告、裁判官、書記官らにより審理が行われます。
通常、1時間~2時間程度で終了します。
審理では提出した書類や証人尋問などの証拠調べが行われます。
また、場合によっては審理の場で話し合いにより和解が成立する可能性があります。

⑥判決
和解が成立しない場合、審理終了後、判決が行われます。

 

本日はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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