vol.49 【第38回】BtoCビジネスを成功に導く『債権回収』 第三者に回収を委託する方法について

ここまで自社督促の方法・強化について解説してきましたが、
どれだけ回収に力を入れている企業であっても、
一定程度の未収金が発生するのはやむを得ないと言えます。

そのような債権に対しては、

①、第三者に回収を委託する

②、法的措置を講じる

③、あきらめる

の3つの対応が考えられます。
本日は、①、第三者に回収を委託する方法をご紹介します。

 

まず、第三者に債権回収を委託する際に遵守すべき法律は弁護士法72条です。

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(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

第72条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び

審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一

般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、

又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の

法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
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同条では、弁護士ではない者が、報酬目的で交通事故の示談交渉、債権の取り立て、
離婚交渉など「法律事件」に関して鑑定、代理、仲裁、和解など
法律事務をすることができないと定められています。
違反した場合、2年以下の懲役か300万円以下の罰金が科されます(同法77条)

少額債権回収については、代金債務という法律上の権利義務について、
定められた期日までに支払いがなされないという争いが生じており、
「法律事件」に該当することは明らかです。

また、少額債権回収について、依頼者を代理して督促や交渉を行うことは「法律事務」に該当します

したがって、少額債権回収を第三者に委託する場合、
弁護士法72条の規制に服しますので、弁護士や弁護士法人以外の者に委託することはできません
(例外として、司法書士については、法務委大臣に認定を受けた司法書士は、
140万円以下の債権回収については代理することができるとされています

 

この点、第三者として委託が検討される先として債権回収会社(サービサー)の存在があります。

サービサーとは、金融機関等から委託を受けまたは譲り受けて、
特定金銭債権の管理回収を行う法務大臣の許可を得た民間の債権管理回収専門業者です。

不良債権の処理等を促進するために
「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」が施行されて、
上記弁護士法72条の特例としてこのような民間会社の設立ができるようになりました。

しかし、サービサーは、サービサー法2条1項で規定されている
「特定金銭債権」でなければ取り扱うことができないところ、
少額債権回収で取り扱う通常の売買代金等の債権はこれに当たりません

 

にもかかわらず、企業が少額債権回収の委託をサービサーにしているロジックは、
サービサーとしては、債権の「回収」の委託を受けているのではなく、
事件性・紛争性のない債権について
「集金代行」業務を受託しているだけであるというもののようです。

とするならば、サービサーに少額債権回収の業務を委託したとしても、
支払いの督促行為を行うことはできず、
債務者に対して債務の存在・金額を伝える程度の対応に止まります

また、支払いを拒絶した債務者に対しては、
再度の通知を発送することすら禁止されると解さざるを得ないでしょう。

そうであれば、サービサーによる集金代行の効果はどれほどのものであるのか
極めて疑問であると言えます。

 

本日はここまでとします。
最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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